Webデザイナー、UI/UXデザイナーの@sdesignlaboです。
Illustrator(イラストレーター)でオブジェクトをラスタライズする方法と注意点についてイラレ初心者の方に徹底解説します。
ベクター画像をピクセル画像に変換する際の注意点、手順、ラスタライズ効果を使ったドット絵表現から入稿の際の下処理などをゼロから学習できます。
これからIllustratorを始められる方、更にイラストレーターを学習されたい方にオススメです。
ラスタライズとは?
ラスタライズを行う事でベクターイラストをピクセル画像に変換できます。
正直Illustratorでラスタライズを行う事は滅多にありませんが、知っておいて損の無い知識ですよ。
ラスタライズの方法と設定
それではIllustratorでラスタライズを行う方法を解説します。
イラレ初心者の方にも再現できるように詳しく解説いたします!
Illustratorを導入しましょう
当記事の内容を実践するにはIllustratorが必須です。
未導入の方は
Illustrator公式サイトからダウンロードしておきましょう。(7日間の無料体験が可能)
なお、AdobeCCのプランは
コチラの記事で徹底解説しています。
ラスタライズの方法
STEP.1
オブジェクトを作成
ペンツールや長方形ツール等の図形ツール、文字ツール等でオブジェクトやテキストを作成します。
サンプルは
コチラの素材を活用しました。
STEP.2
コピーを作成
ラスタライズを行う前に別名でファイルを保存、またはオブジェクトをコピーしておきましょう。
一度ラスタライズを行うと元に戻せません。
別名保存の場合は [ filename_rasterize.ai ] 等、ラスタライズである事が分かる名前にしておきます。
サンプルはオブジェクトをコピーしました。
STEP.3
ラスタライズを適用
ラスタライズしたいオブジェクトを [
選択ツール ] で選択。
Illustrator画面上部の [
オブジェクト ] → [
ラスタライズ ] をクリック。
ラスタライズの詳細設定を行います。
[ カラーモード ]:CMYKまたはRGB、グレースケール、モノクロ2諧調
[ 解像度 ]:スクリーン(72ppi)、標準(150ppi)、高解像度(300ppi)、ドキュメントのラスタライズ効果の解像度を使用、その他
[ 背景 ]:ホワイト、透明
[ オプション ]:アンチエイリアス、クリッピングマスクを作成、特色を保持
サンプルは高解像度、透明、その他は初期設定です。
STEP.4
ラスタライズの完了
以上でIllustratorで作成したオブジェクトのラスタライズが完了しました。
拡大するとピクセルが見えますね。
ただし、効果をラスタライズするなら後述する [
アピアランスを分割 ] がオススメです。
解像度を下げて [ アンチエイリアスをなし ] にするとドット絵風にできます。
※後から編集できるドット絵風イラストの作り方を次に詳しく解説します。
新規ドキュメント作成時に設定可
[ ドキュメントのラスタライズ効果の解像度を使用 ] は新規ドキュメント作成時の [ ラスタライズ効果 ] の解像度に依存します。
初期設定だと、印刷物の設定は高解像度(300ppi)になっていますが、Webコンテンツの場合はスクリーン(72ppi)です。
必要に応じて設定を変更してください。
解像度を変更した作例
左から順に [ スクリーン(72ppi) ] 、[ 標準(150ppi) ] 、[ 高解像度(300ppi) ] でラスタライズした作例です。
印刷を前提にした場合は高解像度、または [ その他 ] で350~400ppi程度を指定しましょう。
ラスタライズ効果でドット絵風に
正直Illustratorでラスタライズを使う事は滅多にありません。
しかし効果メニューのラスタライズを使えばドット絵風の表現が簡単にできます。
効果なので後から元のオブジェクトに戻す事も可能!
イラレを使った表現の幅を広げる際に使える制作テクニックですよ。
STEP.1
オブジェクトを作成
Illustratorでオブジェクトを作成します。サンプルは
コチラの素材を活用しています。
複数のオブジェクトで構成されている場合は事前に [
Ctrl +
G ] (Mac:⌘ +
G) でグループ化しておきます。
サンプルは横幅130pxのオブジェクトサイズです。
STEP.2
ラスタライズ効果を適用
対象オブジェクトを選択。
画面上部の [
効果 ] → [
ラスタライズ ] をクリックします。
ラスタライズの詳細設定が開きます。
カラーモード、解像度、背景、オプション等の設定ができます。
[ アンチエイリアスをなし ] 、解像度は低めにしておきましょう。
設定後は [ OK ] をクリック。
STEP.3
完成
以上でラスタライズ効果を使ってドット絵風の表現ができました。
アピアランスパネルを開くとラスタライズ効果が追加されています。
※Illustratorのアピアランスは
コチラの記事で詳しく解説しています。
不要な場合は非表示・削除すると戻せますし、クリックするとラスタライズ効果の再設定ができます。
次に紹介する [
アピアランスを分割 ] を使えば画像化もできますよ。
高品質なドット絵素材
商用利用可能で高品質なベクター形式のドット絵素材を厳選しております。
効果はアピアランスを分割する
効果を適用したデザインを入稿する際は次に紹介する [ アピアランスを分割 ] しておけば問題ありません。
先に紹介したラスタライズ効果を適用したオブジェクトを画像化する事もできますよ。
※なお、イラレ未導入の方は事前にIllustrator公式サイトから入手しておきましょう。
効果にアピアランスを分割を適用
STEP.1
効果を適用
パスオブジェクトやテキストにスタイライズ系の効果を追加します。
サンプルは [
効果 ] → [
スタイライズ ] → [
ドロップシャドウ ] を適用したオブジェクトを作成しました。
※イラレの効果の使い方と全機能は
コチラの記事で詳しく解説しています。
一度 [ アピアランスを分割 ] を適用すると元に戻せないので事前にコピーしておきましょう。
STEP.2
アピアランスを分割
オブジェクトを [
選択ツール ] で選択します。
[
オブジェクト ] → [
アピアランスを分割 ] をクリックしましょう。
STEP.3
完成
すると元オブジェクトと効果が分割されます。
※グループ化されているので [ Ctrl + Shift + G ] (Mac:⌘ + Shift + G) でグループ解除できます。
ドロップシャドウのオブジェクトはラスタライズされています。
効果を適用したデザインを入稿する際は [ アピアランスを分割 ] しておきましょう。
※印刷所によってはラスタライズが必要な場合もあるので入稿ルールを確認しておきましょう。
グラデーションや線は分割・拡張
グラデーションやアピアランスを使った線などは分割・拡張を行ってから入稿の必要がある印刷所もあります。全ての印刷所で必要ではないのですが、知っておいて損はありませんよ。
STEP.1
オブジェクトを作成
グラデーションのオブジェクトを作成しました。
グラデーションの使い方は
コチラの記事で詳しく解説しています。
事前にファイルまたはオブジェクトをコピーしておきましょう。
STEP.2
分割・拡張を行う
[ オブジェクト ] → [ 分割・拡張 ] を適用します。
分割・拡張の詳細設定が開きます。
分割・拡張、グラデーションの分割・拡張が設定可能。
サンプルは初期設定のまま [ OK ] をクリック。
STEP.3
分割・拡張の完了
グラデーションが分割できました。
ぱっと見は変わり無いですが、[ Ctrl + Y ] (Mac:⌘ + Y) でアウトライン表示にすると細かく単色のオブジェクトで分割されている事が確認できます。
線も塗りに変換され、全て単色の塗りで構成されたオブジェクトです。
印刷所によってはグラデーションの分割・拡張が必要な場合もあります。入稿前に各印刷所のルールをよくチェックしましょう。
高品質なポートフォリオテンプレート
紙媒体やPDF形式で作成したポートフォリオの品質を手っ取り早く高めるには、高品質なテンプレートの活用が最も効率的かつ効果的です。
商用利用可能で高品質テンプレートばかり厳選!
今まで意識しなかった多くの「気づき」に出会えますよ。
※なお、ポートフォリオ制作はInDesign(インデザイン)を使うのが最も効率的です。
コチラでインデザ初心者の方向けにポートフォリオテンプレートの使い方を詳しく解説しております。
#01 Pink Portfolio Layout
ピンク系のキレイ目カワイイ風ポートフォリオ用テンプレートです。InDesign形式なので文字と画像の差し替えが超楽!
2時間あればポートフォリオが作れます。
編集にはInDesignが必須、未導入の方は
InDesign公式サイトから入手しておきましょう。
ダウンロードする
#02 Portfolio Layout with Gray Accents
モノトーン系でどんな作風にも合うポートフォリオ用テンプレートです。イラスト、写真、建築、Web、グッズ…テンプレ選びに迷ったらコレがオススメ!
A4に印刷したポートフォリオ、PDF形式、どちらも短時間で作成可能です。
ダウンロードする
#03 Portfolio Layout with Yellow Accents
黄色が鮮やかでキレイなポートフォリオテンプレートです。
爽やかな画風のイラストにもピッタリ!
クセが無く、ベースデザインとして非常に扱いやすいテンプレートの一つです。
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#04 Portfolio Template in Pale Green and Mint
収録されているレイアウトパターンが非常に豊富なポートフォリオ用テンプレートです。
作品を大きく見せる、制作過程を見せる、複数見せる、横長作品を画面内に綺麗に収める等、どんなパターンにも当てはめる事が可能ですよ。
ダウンロードする
#05 Minimalist Portfolio Layout
ポートフォリオの表紙には必ずメインビジュアルを入れないとダメか?そんな事はありません。
単色に文字だけで構成した表紙も素敵です。
ページ中身のレイアウトパターンも豊富、あえて表紙をシンプルにする手法もアリですよ。
ダウンロードする
紹介しきれなかったポートフォリオテンプレートや素材
上記のテンプレートはほんの一部。
下記リンクで多数の高品質なポートフォリオテンプレートを紹介しています!
ワンランク上のテンプレート素材
Illustratorのスキルアップをする上で、プロが作成した生データを研究する事は重要です。
下記記事でプロが作成した高品質で汎用性の高いテンプレート素材を紹介しています。
全て商用利用可能、テキストや画像を変えるだけでプロの品質が出せます。
制作の手間を劇的に軽減するだけでなく、スキルアップの教材としても活用できますよ!
良質な素材をもっと見る
上記で紹介しているテンプレートはごく一部。
下記記事で良質な素材を紹介しております。併せてチェックしてください!
おわりに
以上、Illustrator(イラストレーター)でラスタライズを行う方法と注意点についてでした。
正直イラレでラスタライズを行う事はほぼありません。
ただし知識として知っておく必要はあります。
ドロップシャドウをはじめとした効果は [ アピアランスを分割 ] しておけば画像化でき、元オブジェクトはベクター画像のまま保持できます。
ラスタライズの意味や特徴、入稿の際の下処理などを理解し、Illustratorを使ったクリエイティブを更に加速させてください!
ではまた!
InDesignは活用されていますか?
Illustratorだけでなく、InDesign(インデザイン)も活用されているでしょうか?
ポートフォリオ制作はイラレよりInDesignの方が効率的に作成できます。
まだInDesignを導入されていない方は
Adobe公式サイトから入手できます。
高品質で商用利用可能なポートフォリオテンプレート42選は
コチラ!
目次一覧
ゼロから始めるシリーズ
現役デザイナーが教えるIllustrator、Photoshop、ポートフォリオ講座の目次です。
デザイン未経験からプロを目指しましょう!