WEB業界・ゲーム業界・イラストレーター等のデザイナー向けポートフォリオ制作でよくある質問をまとめました。ポートフォリオを制作している学生さん、就活中の方にオススメの内容となっております。
初めてポートフォリオを作り始めると色々と疑問点が出てきます。
当記事はポートフォリオビギナーの方から受けるよくある質問11選に対する回答を掲載しています。
ポートフォリオ制作のヒントにしていただけますと幸いです。
この記事の目次
Q.1 ポートフォリオのページ数はどれくらいあればいいですか?
ポートフォリオのページ数に決まりはありません。
ページが多いから良い、ページが少ないからダメといった事もありません。
ポートフォリオの「質」が一番大切です。
ダラダラと中途半端な作品ばかり掲載したページ数の多い作品集より、ページ数が少なくても自身が本当に好きな作品を厳選したポートフォリオの方がウケる可能性が高いです。
結果ページ数が10ページと少なくても、10ページの密度が濃い、高品質なポートフォリオであれば問題ありません。
初めてポートフォリオを作る場合は20ポケットのクリアファイル1冊分を目安に作成してみましょう。
一般的なポートフォリオは20ページくらいのボリュームがあれば過不足なく作品紹介が可能です。
もちろん30ページでも40ページでも構いません。
ただ何度も言いますが「量より質」が重要!
下記でポートフォリオについて詳しく解説しています。
是非ご覧ください。
なお、コチラの記事でインデザイン形式のポートフォリオテンプレートの使い方をインデザ初心者の方にも分かりやすく解説しております。
Q.2 ポートフォリオの構成はどうすればいいですか?
ポートフォリオとは自身の作品集です。よって構成に決まりはありません。
自身が思いつく一番良い方法で構成し、アピールしましょう!
初めての方はよくある一般的なポートフォリオの構成で作ってみましょう。
- 表紙(1P)
- 自己紹介(1~2P)
- もくじ(1~2P)
- 作品ページ
- 裏表紙(1P)
過不足のない定型的な構成です。
詳しくはコチラの記事でも解説しているので参考にしてください。
まずは定型的な構成で作成し、徐々に発展させると良いでしょう。
Q.3 ポートフォリオって作品を並べるだけでいいんでしょ?
ポートフォリオは自身の作品を淡々と並べるだけでいいと考えている方が多いです。
「作品を並べて」「タイトルや説明文をちょろっと入れるだけ」でポートフォリオが完成とお考えの方は、就活で苦戦する事間違いなしです。
学校課題で初めて作った「とりあえず版のポートフォリオ」としては構いません。
ただし「希望する会社へ応募するポートフォリオ」としては問題アリです。
作品を「より良く見せる為の仕事」を入れて初めて「人に見せられるポートフォリオ」となります。
単に作品を置いて、ちょっとした説明文を入れただけのモノは「とりあえず版」です。
「とりあえず版」は掲載している作品の質を下げてしまう可能性があり、そのままの状態で応募しても「お祈り」される可能性が非常に高いです。
誰もが認める「鬼のような画力」があればファイルにまとめずペラで印刷した画像だけで十分でしょうが、普通の制作力の学生さんであれば「とりあえず版」は危険です。
その状態で提出しても…高確率で時間とお金が無駄になりますよ。
構成、テキスト、画像のサイズやトリミング、レイアウト、文字サイズや太さ、余白、ガワのデザイン、改善できる余地はいくらでもあるはずです。
「レイアウト」=「並べるだけ」ではありません。
下記に惜しいポートフォリオの改善例を紹介しているので参考にしてください。
しっかりと「完成度の高いポートフォリオ」に仕上げてから応募する事をオススメします。
Q.4 デッサンは載せないとダメですか?
絶対にデッサンを載せないとダメ、という決まりはありません。
ただデッサンを載せる事によって、その人の基礎画力やモノを見る力(立体把握能力や空間認識力)がある程度分かります。基礎画力が高いほど、質の高い作品を作れる可能性が高まります。
特にゲーム業界等の3DCGデザイナーや2DCGデザイナーでは高いデッサン力を求められる事が多いです。
上記のような職種だと「デッサン必須」と記載している会社も多いですよ。
WEB業界ではデッサン力は大して求められませんが、品質が高いのであれば載せておく方が無難です。
あまりにもデッサンが苦手で質が…載せるのはちょっと…という方は省いた方が良いでしょう。
ボリューム的にはポートフォリオの最後に見開き2ページ程度の掲載量でOK。
併せてクロッキーも載せておくといい感じですよ。
トレーニングとして見た場合、あまり画力向上に繋がりませんが、デッサンが苦手な方の「ポートフォリオ用のデッサン」作りには適しています。
面接では「ちゃんとデッサンしました」とすっとぼけておきましょう。
Q.5 郵送したポートフォリオは返却されますか?
企業へ郵送したポートフォリオが返却されるか否かは応募した企業によります。
多くの企業の応募要項に返却に関する旨が記載されています。
返却不可の企業も多いので必ず確認しておきましょう。
お金と時間をかけて作成したポートフォリオ、合否に関わらず返却してもらいたいですよね。
返却不可でも事前に返却の旨を連絡し、返送用の封筒を同梱しておくのも一手です。
また、1点モノのポートフォリオだけでなく、量産できるポートフォリオも作成しておく事をオススメします。家庭用プリンターで出力して完成といったタイプですね。
ポートフォリオの返却に関してコチラでも解説しておりますので参考にしてください。
Q.6 学校課題以外の作品を載せてもいいのですか?
もちろん学校課題以外の作品を載せても問題ありません。
学校、個人制作に関わらず「質の高い作品」を載せていきましょう。
学校課題ばかりだと、どうしても「作らされた感」が拭えないポートフォリオになりがちです。
その反面、自身で好きなように制作したモノが一番魂が入る、そんな経験ありませんか?
むしろ学校課題を載せず、「全部自分だけ」の作品ばかりを載せる方がオリジナリティが出せて良いかもしれませんよ。
そういった方はテンプレートを活用して作ってみましょう。
コチラの記事で詳しく解説していますが、AdobeStockには高品質なポートフォリオ用テンプレートが多数存在します。画像とテキストを少し差し替えるだけでポートフォリオが完成します。
初めてポートフォリオを制作する方、行き詰っている方はテンプレートをお試しください。
Q.7 ポートフォリオをデータで提出したいのですが?
紙のポートフォリオ、データのポートフォリオ、応募する会社の規定によります。
最近は履歴書、ポートフォリオの両方をデータで求める企業が増えてきました。
多くの企業では「作品形式問わず」と記載されています。
紙のポートフォリオを求める会社は「印刷した作品」と但し書きがあります。
データでの提出が可能か、事前に確認しておきましょう。
データのポートフォリオも「紙のポートフォリオをPDF化したものを送信」、「WEBサイトのURLを記載」、「ディスクメディアに焼いたものを郵送(レーベル、ケースデザインをすると尚良し)」などの方法があります。
サイト制作の知識が無くてもポートフォリオサイトを簡単に作れるサービスがあります。
コチラの記事でも詳しく解説しているので、活用を検討されるのもアリですよ。
正直ポートフォリオに形式はありません。
自身の作品を一番魅力的に伝えられる媒体・方法で応募する事が、内定を獲得する一番の近道です。
Q.8 ポートフォリオのアドバイスが人によってまちまち。。。
結局どうしたらいいの?
学校の先生、希望企業の採用担当者、業界の現役デザイナー等、自身が作成したポートフォリオについてアドバイスを受けた際にバラバラの意見という事がよくあります。
…あるあるですね。
正直ポートフォリオに対する意見は「見る人の好み」で分かれます。
採用担当が好きな作風であれば受け、そうでなければお祈りコース、よくあります。
なので他人の意見は参考程度に、あくまで自身が作りたいモノをトコトン突き詰めていく事が重要です。
つまり「自分の意見を最優先」ですね。
個人的には何でも言われたままをハイハイ受け入れるクリエイターより、芯を持った方が好きです。
アドバイスは一つの参考意見として、先生に言われたからと言って必ずしも反映する必要はありません。
ただし、複数人から同じ個所にダメ出しされるのは「そういう事」である可能性が極めて高いです。
その場合は素直に意見を受け入れて改善する事をオススメします。
Q.9 自身のやりたい仕事、向いている仕事がよく分からない。
何となくデザインやイラスト、ゲームキャラといった方面の学校に来たけど、本当に自分がこの分野に向いているのか?向いている仕事があるのか?とお悩みの方がいます。
それはまだ自身が進むべき分野についての知識が不足している状態だからです。
まずは気になる業界や仕事について、少しでも多くの情報を集めてみましょう。
ゲーム業界に対して興味があるなら、自身が好きなゲームを作っている会社について。
キャラクターグッズが好きなら自身が興味のあるキャラクターグッズを作っている会社を詳しく調べてみると良いでしょう。
どんな会社でどんな仕事があるのか?どんな業務内容なのか?
募集している業種と必要な能力は何か?
求める人材像とは?
会社のホームページや広報SNSには仕事内容や求める人材像についての情報が多く掲載されています。
また、学生さんならWEB情報だけでなく、学校のキャリアセンターを活用し、プロのキャリアカウンセラーから詳しい話を聞きましょう。作品を黙々と作るけど聞かない方って案外多いんですよね。。。
せっかく高い学費を払っているので、学校を上手く利用しましょう。
興味のある会社の会社説明会は参加し、自身が興味を持っている分野について「より具体的な情報」を得る事で、自身がやりたい事、向いていそうな事が見えてくる可能性が高まります。
正直面倒くさいですが、面倒くさがっているだけでは何も進展しません。
そのまま「何となく」就活をしても、ロクな結果を生みませんよ。
下記でクリエイティブ業界のデザイン業をリスト化した記事を掲載しております。
ぜひ併せてチェックしてみて下さい。
Q.10 ポートフォリオに個人情報を載せた方がいいですか?
ポートフォリオの自己紹介ページに個人情報を載せるか否かという質問もよく聞きます。
個人情報とは「その人を特定できる」情報の事です。
例えば本名、住所、生年月日等、電話番号、メールアドレス、顔写真等が挙げられます。
結論として、個人情報を載せる必要はありません。
ポートフォリオと一緒に送る履歴書に個人情報が載っています。
履歴書と違ってポートフォリオは応募企業の採用担当だけでなく、様々な方が見る可能性が高いモノです。
無いと思われますが、ポートフォリオ経由で個人情報が悪用される可能性はゼロとは言い切れません。
ご丁寧に全ての情報を載せるのはリスクが伴うので注意が必要です。
特に女性の方は注意してください。
正直、個人情報に関しては個々の感覚次第です。
SNS等にモロ個人情報を掲載している方もいますからね。
載せたい方はご勝手にどうぞ、と。
ただ、私個人としてはフルで個人情報を載せる必要性は全く無いと考えています。
正直そんな箇所は大して見ませんし、載せる利点がありません。
最低限名前(またはハンドルネーム)を載せておけば良いでしょう。
名前+メールアドレス(+似顔絵)程度の情報があれば十分満たしています。
受賞歴等はアピールに繋がるので載せておきましょう。
Q.11 ポートフォリオにAI生成したイラストを載せてもいいですか?
ポートフォリオにAIで自動生成したイラストを載せて良いか否かについての質問を受ける事があります。
結論としては「プロを目指すならナシ」、「趣味レベルで構わないなら著作権に気を付けてね」です。
ごく稀に赤の他人が描いた作品を著作権無視してAIに学習させ、さも自身の作品かのように偽って掲載する人がいます。正直この手の方は…イラストレーターやクリエイターを目指す者として致命的です。
正直な意見として根本的に適性が無いので、早急に別の道を検討される事をオススメします。
ポートフォリオは単に作品の品質を測るだけの物ではありません。
企業はその人のクリエイティブに対する姿勢や向上心、将来性なども含めて見ています。
また、AIである事がバレないと考えている方も多いですが、高確率でバレます。
赤の他人の作品を学習させて出力したAI作品を自作と偽って載せるような人を、わざわざ高いお金を出して雇いたいと思うでしょうか?有益どころか逆に会社にとってリスクでしかないですよね。
本気で「プロ」のクリエイターを目指すならAI生成作品の使用は止めておく方が得策ですよ。
紙媒体やPDF形式で作成したポートフォリオの品質を手っ取り早く高めるには、高品質なテンプレートの活用が最も効率的かつ効果的です。
商用利用可能で高品質テンプレートばかり厳選!
今まで意識しなかった多くの「気づき」に出会えますよ。
※なお、ポートフォリオ制作はInDesign(インデザイン)を使うのが最も効率的です。
コチラでインデザ初心者の方向けにポートフォリオテンプレートの使い方を詳しく解説しております。
2時間あればポートフォリオが作れます。
編集にはInDesignが必須、未導入の方はInDesign公式サイトから入手しておきましょう。
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A4に印刷したポートフォリオ、PDF形式、どちらも短時間で作成可能です。
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作品を大きく見せる、制作過程を見せる、複数見せる、横長作品を画面内に綺麗に収める等、どんなパターンにも当てはめる事が可能ですよ。
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単色に文字だけで構成した表紙も素敵です。
ページ中身のレイアウトパターンも豊富、あえて表紙をシンプルにする手法もアリですよ。
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下記リンクで多数の高品質なポートフォリオテンプレートを紹介しています!
以上、デザイナーのポートフォリオ制作でよくある質問11選でした。
正直ポートフォリオ制作に正解はありません。
しかし上記の質問集の内容を知り、ポートフォリオに反映する事で改善が見込めます。
自身が作りたいポートフォリオを作り込む事が一番です。
ただ、当記事の内容も一つの意見として頭の片隅に置いておくと…良いかもしれませんよ。
ではまた!
デザイナーの就職・活動に必要なポートフォリオに迷った際に参考にしてください。
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